吉田修一さんの小説『パークライフ』装丁用に、「日比谷公園」を描きました。日比谷公園の航空写真を用意していただいて、現地で撮影した木や建物の写真と合わせて、コンピューターで下絵を起こしました。絵は忠実に描き起こすより省略するほうが難しく、建物の窓を間引いたり、不必要な小道を省くのに、とても時間がかかった記憶があります。特に樹が難しく、そのまま描いたら、全体がモコモコの絨毯で覆われたような、単調な絵になってしまいました。
そこで、樹の葉の部分に穴を空け、中に隠れている枝を描くという方法を考えました。(このエピソードは、自著『ラクガキ・マスター』の中でも紹介しています)枝を描くことで、樹がより樹らしくなり、絵にも適度な密度が出ました。一歩間違うと、単なる地図になってしまうのですが、その発見のおかげで、ちょっと面白い絵になりました。よく見るとキリンやカバなどの動物も隠れています。
P.S.
製作中にこの『パークライフ』が芥川賞を受賞し、急いで出版しなければならないという状況に。にもかかわらず、絵が仕上がった頃には〆切を3週間も過ぎてしまっていました。ほんとうにすみませんでした。
add on 2010.07.04





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